父と息子の出逢い

そうそう何度もないことですが、本の出版をしたり、舞台を創ったりしていると思いもかけないうれしいことに出逢ったりします…。しかも、突然。だからそのうれしさは、ボクには感動そのものです。

実はそれが今日、あったのですよ。

朝、コーヒーを入れてアパートを出ました。ここまではいつもの朝、ですが、事情があってクルマが使えません。なので、電車。しかも地下鉄なので、空気がまずい。缶コーヒーもなければ、タバコもダメ。することがないので、車内の広告を読んでいます…。
事務所に到着したとたん、ボクに電話です。相手は、あの本をボクに書かせた旧友の編集マンでした。
彼の話は…あんまり歓迎しないのですよ、ね。また、なんか書けって言うから…さッ。終わったばっかりでしかもこんな経済状況になって、誰が「ビジネス本」なんて買って読むかって…。旧友・トモちゃんの声はいつものように重い声でした…。
「ああ、フクちゃん、トモダです」「なに?」「いまさぁ、TY社の社長代理の人から電話が来たよ。なんでも、あの本を買ってくれるって…」「??、???」「きいてんの?」「何だって、もう一度」「だから、買うって、さぁ」「うそ!取材もしていないのに…」「感銘をうけました、とまでおっしゃってくれたよ、フクちゃんからも電話しておいた方がいいとおもってさッ」「するするする、なんだか、やけに、うれしくなって…」「また、泣きそう?」「いや。泣いてるよボク」「泣けるっていいよ、いつもフクちゃんはカンゲキすっとすぐ泣けるからなあ、羨ましいよ」「泣いてる、ボク…カンゲキだよ…」

TY社とは、名古屋の自動車メーカーT社の、最大の販売会社です。
これまで出版されたT社の本といえば、自工関係の「生産方式」だの「人材育成」だの「T社式管理方式」だの「海外戦略」などばかりで、ズラリと本屋さんの棚に並んでいます…。中身はすべて自工を中心にして書かれています。まあ、この方が名古屋方面ではある程度の部数が期待できるのでしょう。
でも今回ボクの書き上げた本の内容は、「T社の販売力」に視点をあわせ、「販売のT社」と言われるゆえんを書きましたから、どうしても、古めかしい経営や、それを創り上げた人たちの物語を事実に沿って書き上げる作業をしなければいけなかった…。なので、繰り返し調べを続けなくちゃ。いっぱい時間がかかったし…。
そもそも、こんな手間のかかる作業を「やってよ…」なとど頼みに来た旧友がいけないよ、まったく。とはいえ、「やる」と言ったのはボク…かぁ。

と、ちと、悔しさもあったのですよ、最近は、ね。
そんな折、トモちゃんの電話がこれ。泣けました、ハイ。

作品を出したら、なんかこう…反響がほしいのよ、ね、ボクは。
その反響は、意外性があるほどボクは「泣けちゃう」のであります。「父のことを…」の、ひと言が、ボクにとっては最大の名誉、なのです。TY社の社長様の父上とは、「販売のT社」と言わしめた同社販売力の基礎を創り上げた人物。その息子さんからトモちゃんの会社に連絡があったのです。

お会いしたこともないその息子さんはいまやTY社の社長さんになっています。
書き上げたこの本を通して、「自分の父がいかに壮絶に生き抜いたか」を想像してくれたのかもしれない、それだけでも、この仕事を引き受けて良かったと思えるのですよ、ボクは…。

父が生きた人生と、我が人生…。
経営とは所詮、人の技です。経営の問題は人が創り出しています。だから、どんな難問であっても人が解決できます。人生とまったく同じ。
間違えたら人は元の出発点に返ります。そして、また新しい道を造って歩き出しますよ、ね。
経済界もそれとまったく同じでなくてはいけませんね。個人のしあわせの確保にやっきになるか、全体(ともに)で、しあわせを創り出すか、その選択にこそ「経営の人格」があらわれます。
最近の経済界のリーダーたちは、ボクの目から見ると、少々行儀が悪すぎます。
行政リーダーたちも同様です。行儀が悪すぎる。あまりにも、「生きること」を軽率に扱いすぎますぞッ、て、ね。

ビジョンのない企業、椅子取りゲームの毎日がふつうにしてしまったのは、誰だったんでしょうか…。最近、行儀が悪すぎませんか。あの頃に比べて…。


うれしさついでに…。紹介しておきましょう。このブログです。
のほほんニューヨーク暮らし
なんとまあ、ここでボクの本が紹介されちゃったのですよ。うれしいですよ、ね。


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…まさみ…
by masami-ny55 | 2008-10-10 01:12 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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