ピアニスト亜紀

本日、上野文化会館の2階にあるレストランで藤井亜紀さんとお会いした。
仲人役は、岡田誠君。目的は、夏のコンサートの出演依頼である。
お互いの仕事の都合と台風の影響などで藤井さんとの面接は延び延びになっていた。
それがようやく本日、お会いできたという次第だ。

朝、窓からの日射しが眩しい。台風が明けての快晴である。
布団の中から、ピコピコを使ってテレビをオン。BS1にチャンネルを会わせる。ヤンキースの試合中継だ。得点が0-0であることを確認したら、起きあがって洗面所へ。今日は念入りに歯を磨く。3回、電動歯ブラシで磨いたら歯茎がヒリヒリした。その後は、頭から水をかぶり目を覚まさせて、念入りにシャンプー。

今日に限ってヤンキースの中継に没頭出来ない。2-0になっていたが、さほどのよろこびはわき起こってこない。

コーヒーを入れる。水の量を間違えたのか、すこし薄い味になった。時間が気になる。
松井選手がクリーンヒットして4-0で勝っても、「ヨシ、いいだろう」の声が漏れる程度の勝利感覚しかなかった…

なにを着て行くべきか?
この猛暑の中とは言え、いつものマサミ君ルックとは行かず、考えた結果やはりネクタイをしていくことにした。

愛車は目下、点検中。従って友だちから借りている代車で行くことになる。このクルマ、途中で燃えないだろうか…と、不安になった。
しかし、贅沢は言えない…
岡田と春日で待ち合わせて、まっすぐ上野へ向かう。

待ち合わせた時間より少し前に到着したが、藤井さんはすでにお待ちだった…。
笑顔で我々を迎えてくれたのである。

印象が…違う!
クラシック専門のピアノソリスト…と、聞けば皆様だったら、どうお話をしますか?
私は、こういう方々は神経質で、好き嫌いが激しく、上品で… そう思っていたので、前もってタバコはカバンにしまっておいたのだ。
どうせ、彼女の前では吸えないだろうから、と。
かなり身構えての面接になるはずだったのだが…しかし、
「あっ、岡田く~~ん。ここ…。初めまして、藤井です、よろしく」
って、お愛想のいい笑顔だこと…

                                          弟と(小学5年頃)
確かに、ピアニストらしく姿勢もいいですよ。まあ、やはり音楽家の上品さを漂わせておられましたが、決して取っつきにくいところはないのですよ。
で、さっそくいろいろと質問してメモを取り始めたら…
「ホントですね、新聞記者さんみたい」
だと。長いことやってましたから…、抜けないのか、そんなそぶりが…。

「デッカイ失恋はいつ?」
「…26歳でしたねぇ」
「けんかしちゃったとか…」
「道が違っていたんです…」
「好きな食べ物は?」
「ハンバーグ! 冷やし中華も好きですよ」
「庶民派?」
「私、安上がりなんですよ。魚でも、いわしとか…ひじきの煮物は大好きだし」

なんでも、生後1歳の頃…おばあちゃんの家にあったピアノの鍵盤をメチャクチヤに叩くから、やかましい。そこでご両親は、部屋を暗くしたらやめるだろうと、真っ暗にした。なのに、いっこうに止めない。
4歳の頃にはどこで見つけたのか「紙鍵盤」を机に広げて、指を動かしていたという。その姿を見れば、さすがに親御さんは「可哀想だし…」と、思ってピアノを買ってくれるだろうと…なるはず。「でしょう。でも、うちの親は、どうせすぐに飽きるんだから、と買ってはくれませんでしたね」
で、「お向かいのお宅にあったオルガンで遊んでなさい、だって。スゴイでしょう…」

5歳からピアノの先生につく。
「この先生は私の生涯の恩師です。とっても面倒を見てくれた方なんです。練習して、弾けたら私、すぐに先生のところに行って見てもらったんです。何度も何度もかよっても、歓迎してくださって…」

中学まで仙台で暮らしていたが、高校からひとりで上京。
東京芸術大学音楽学部附属音楽高校に入学したからだ。
「ひとり暮らしですよ。淋しかったか? …そんなことはなかったですね。お掃除も洗濯も自分でやりましたけど、学生会館でしたし…」

おばあちゃんと
同大学音楽学部器楽科卒業後、ドイツに留学…
「私、おばあちゃん子だったんですね…このコンサート、ユーガットメールって聞いたとき、思い出したことがありました」
「なんですか? それ」
「あの当時、電話代は安くなかったでしょ。それにE-mailなんてないし。で、祖母と文通してました。暇が出来ると、せっせと手紙を書いたんですよ」
「それで?」
「祖母が96歳で他界しましたが、その時祖母に宛てた私の手紙が全部出てきたんです。取って置いてくれたんです。それを見て、私…こみあげちゃって…。手紙って、いいでよねぇ…」

在学中、日本演奏連盟新人賞を受賞、円光寺雅彦氏指揮仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演しデビュー。
その後ドイツに渡りミュンヘン国立音楽大学大学院マイスタークラス修了、マイスターディプロムを取得した。
フィナーレ・リグレ国際コンクール〔イタリア〕ディプロマ賞受賞。
レパートリーはバロックから現代まで幅広く現代作品の初演も多く、常にクラシック作品と現代作品を取り入れたリサイタルは好評を得ている。アンサンブルピアニストとしての評価も高く、これまで数多くの第一線のアーティストと共演している。また、ソリストとして様々なオーケストラに招かれている。
近年では、作曲家・ジャズピアニストのトム・ピアソン氏のピアノソナタ等の日本初演、作曲家・ピアニストのブルース・スターク氏のピアノ作品による同氏とのデュオコンサート、ギタリストの鈴木大介氏との共演等、ジャンルを超えた活動にも積極的に参加している。
国外においては、ロシア文化省の招きでサンクトペテルブルクでの公演、さらに一昨年に引き続き今年もハンガリー数箇所での公演(指揮、井崎正浩氏)にソリストとして招かれている。現在、聖徳大学非常勤講師。

と、藤井亜紀さんの経歴には記されてあったが、その度に彼女は日本にいるおばあちゃんにせっせと、近況報告かたがた「手紙」をしていたのである…

「その台本は19日のものです。20日は違いますから…」
「えっ? 楽しそうですねぇ…どんなことをするんですか?」

私の目の前に、藤井さんがいる。そして、現在、パリにいる真穂の姿も見える…
ふたりのピアニストが1台ピアノを交互に使い分けるのではなくて…2台のピアノで…、その方がいい!
舞台には、2台のピアノで! 

もしかしたら、だが…
私の好きなピアノ協奏曲がある。ピアノ協奏曲と言えば、まずはモーツアルトだろうが、
ラフマニノフの「パガニーニのテーマ」、がいい。
この協奏曲の譜面を、交響楽団の演奏を伴奏では一流奏者の石野真穂に担当してもらって、そしてソロ譜面を藤井亜紀が弾いたとしたら…
2台のピアノによる『ラフマニノフ/パガニーニのテーマ』!! 
この二人なら、実現可能ではあるまいか…
真穂と亜紀。…聴きたい、ではないか!!

んーーーー、3000円程度のお客さん達にはサービス過剰! と、プロデューサー福島成人は渋い顔をするかもしれないが、しかし…聞きたい。ふたりの息のあった演奏を、聞いてみたいではないか…。
映画監督デビット リーンもこの曲を愛した。彼の作品である「逢いびき」でも使っていた曲である。

「やだぁ、その曲なんですけど、それ、今度のハンガリーで演奏する私のレパートリーなんですよ。その曲を指定するなんて、感激です」
とは、亜紀さんのコメントでしたぞ! 彼女はOK!してくれました。 となれば、20日(土)はこのコンビの演奏が「特別曲」になりそうだ。

さてさて、真穂がなんと言うかだが…
まあ、真穂と相談してみよう…むろん、ご機嫌よいときに、だが。 
20日もみんな、見に来てくれるかな?? 

…まさみ…
by masami-ny55 | 2005-07-28 05:27 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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