親子二代のお好み焼き

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エイジュロウ君、28歳。ババ君、17歳。

先日、ボクの授業に参加し終わったばかりのヤング君たちです。ふたり揃って事務所にヒョッコリ現れたので、「なんか、食べに行こうか」となり、いつものお好み屋さんに。ヤング君たちが授業に参加して、果たしてどんな感想を持ったのか、今後の参考になるので、彼らの率直な意見も聞きたかった。
そもそも、ヤング君たちが来るような授業内容にしていない。せめてエイジュロウ君なみに、20代後半以上の方々に向けた内容にしてあるのですが…

「どう? ちょっと、君たちには難しかったんじゃないの?」
すると、意外にも、
「最高、すよ! 言葉って、もの凄いんだなって思いました」
「言葉って、しゃべることだとばっかり思ってた…気づいてよかったスよ」

              昭和62年、ババ君のご両親の結婚式です!
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ふたりとも、ボクのことを、
「先生、先生」っていうのですよぉ。テレ臭いやら、うれしいやら。
かわいい! です、こいつら!
「もっと、喰えよぉ~。どうだ、ほかに、なんか食べたいもんないのか? 遠慮してんじゃないのぉ~」
「大丈夫ッス」
「そうかぁ~」
なんだかうれしくなってきましたよ。

そんなこんな、話が盛り上がったところで、ババ君の携帯が鳴った。
「先生。親がここに来たいって言ってますが…」
「親父がここに? そっか。まあ、いいじゃないの、呼んであげなよ」
「母親も妹と一緒に来たいと…」あらあら、コトは大袈裟になってきましたよ。
西荻からご両親がわざわざここ白山までいらっしゃるとは…。
そう言えば、お父さんがこの授業に出席したのは今からおよそ十二年前だった… ババ君はまだ5,6歳のお坊ちゃまだった、てことになる。まったく、月日の経つのは早いものですよ、ハイ。


そしたら、今度はエイジュロウ君の携帯が鳴った。
「あのぉ、親父が来たいって言ってますが」
「いいんじゃない、ついでだ」
エイジュロウ君のお父さんがボクの授業に来たのは、九年前だったか…。エイジュロウ君はまだ十代だった訳だ。

なんだか、昔々のPTA総会みたいになってきましたよぉ。

お好み屋さんの扉が開いて、ババ君ご一家、登場です。
「どうも、どうも…」
ニコニコ顔です。
                                ババ君のお母さん。若かったねぇ~
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間もなく、横浜からクルマを飛ばしてきたエイジュロウ君のお父さんもお好み焼きに参加です。
「遅れました! 」
外は寒いのに、なぜかエイジュロウ君のお父さんは汗かいてる。
ボクの見た率直な感想を言います。
親御さん方がうれしそうです。あきらかに、親御さんの方が興奮している…。

「お父さんもお母さんも、ボクと同じ授業をやったんだなあって思うと、なんだかボク、胸が熱くなりますよ」
「ボクは授業中、昨年他界した母のことをずっと思ってました…」
「先生! 一緒に参加したマイチャン、覚えてますよねぇ?」
「当たり前でしょ! ボケ老人でもあるまいし。で、なに? 」
「二日目の朝、みんなの前で発表したご両親への彼女の思い…、ボク、聞いてて男泣きでしたよ。忘れられないッスよぉ」

と、なんだかんだと息子たちの感想を聞いていたエイジュロウ君のお父さんとババ君のお父さんたちが、泣いてます… お父さんたちのその涙の温度は、お好み焼きより熱かったかも…
親子共々、共通の話題が出来てよかったみたいですよ。


そう言えば、今回福島県から来た50代の女性がいましたよ。
彼女は、息子さんにこの授業のことを伝えられて、来た人だった…
息子さんが参加したのは、ボクも覚えてる。スゴイ息子、だった。まあ、日本全国どこでも見かける典型的なツッパリ君です。本人も「途中で、やめっちゃおうかってぇ思いましたけどぉ、ここでやめっちゃったらいままでとおんなじなもんで、いかん、って思ったんスよ。最後まで頑張ってみんなと一緒に出来て、よかったス!」

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このツッパリ君が、故郷の母に自分の体験を伝えたらしい。で、その変化にビックリしてお母さんもババ君たちと一緒になって今回参加しました。このお母さんがまた元気で楽しい人でした、ハイ。

で、今頃きっと雪の中の福島県のどこかの街の、どこかの家族で、自分の参加した感想を言い合っていることでしょう… 笑ったり、真剣になったりしながら母が子供の話を聞き、母の話を子供たちが聞いていることでしょう…。
それでいい、ってボクは思います。
ほんの少し、なんだけど…ボクの仕事は社会のお役に立っているのかもしれないって思います。
この仕事のよろこびは、記者生活では味わうことのなかった感じです。



結局、エイジュロウ君のお父さんとババ君のお父さんがお好み屋さんの経費を持ってくれました。そっか、ここはご馳走になってもいいでしょう!

「まさみさん、親子二代に渡ってご指導いただき、感謝しております。これからも…」

親子二代!

「え~、そんな言い方、やめてぇ~。なんだか、ボク、すっごく年とったみたいじゃん!」

と、言いながら…ボクは彼らの笑い声の中に、自分が歩いてきたいままでの時間とその姿を、ケビン・クラインの「卒業の朝」という映画のラストシーンと重ねていました。

ボクにも言わせてくださいよ。あらためて、皆様!
「ありがとう! 今年もよろしく、ね…」

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…まさみ…
by masami-ny55 | 2006-01-11 14:19 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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