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「犬の心臓」…

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「犬の心臓」を観てきました。
上野駅からほど近いマンションの地下にある小ホールで、2時間の舞台でしたが、あっという間に時は流れました…。


久々に手応えのある芝居を観てきたって実感。
脚本・演出は原田一樹さんです。
俳優座の方々がマジってのお芝居を観るのは…久しぶり。文学座の面々とか、劇団AUN(主宰・吉田鋼太郎さん)とかは多いのですが…。


初日と言うこともあり、まだ役者さん達の絡みが馴染んでいない感はありましたが、とっても楽しい舞台でしたね。まあ、原作・ブルガーゴフの『ロシア現代劇』と看板に掲げられると、ちと、身構える人たちもいるかも知れません。でも、これは…日本で言えば、漱石の「猫」的であり、中島敦の「山月記」的なお話しとにてます…と、言っておいた方が取っつきやすいでしょう。


注文があるとしたら、もっと笑わせて欲しかったなあ…。
ちと、身構えて演じていた感が最後まで続いていたようです。カーテンコールも、あんな難しい表情をしたままなら、つまり、演技のままで登場するなら、カーテンコールはしなくていいかも…。「小難しい芝居です」なんて、前面に押し出す必要なんてないとボクは思いますが、いかがなものでしょうか。

というのも、今回の舞台は「本邦初」とも言っていいほど、珍しい舞台です。
かといって、「ソ連時代には、絶対に原作の発行は許されなかったという逸話を持つ作品」という側面を臭わす必要なんてない、とボクは言います。日本でも、こういうお芝居がもっと大衆的に広がっていいと思うからです。難しくしたがるのが、戦後の演劇傾向なので、なかなか気軽に芝居見物ってわけにはいかない…と、ならないようにしないと、ね。

漱石の「猫」も「坊ちゃん」も所詮、大衆小説です。
でも、「よく読んでいくと…いろいろと…」という読後感を小難しく掲げると、いらぬ力が漂って、その余分な力が舞台から観客に感染して、観客達の微笑みと楽しさを消していきますね。このお話は、喜劇なのですが、こういう演出をしたかったのかな…とさえ思えてきますが…。

いずれにせよ、この舞台は一見の価値は十分ありますし、そもそも飽きずに最後まで「で、で、で、どうなのよぉ?」と自分なりに展開予想を立てながらお芝居を観られます。

吉野悠我さんが問題の「犬」役! おかしい~ッ。餌をあげたくなりましたワン。
ポリメンターリ医師役の志村史人さん、ジーナ役の安藤みどりさん、そして気になった役者さんがフョードル役の森下高志さん…。

ボクはとってもこの舞台が気に入ったので、楽日もみんなで見に行こうと思って、予約しちゃいました!

中島敦「山月記」や「悟浄歎異―沙門悟浄の手記―」は、青春の文学街道ではだれもが通る標識です。梶井の「檸檬」にしても、牧野の「西瓜喰ふ人」「地球儀」などもそうだが現実生活の中に突然、異物が飛び込んだら…、異物を発見したら…。今回の舞台もそんな青春の名残りさえ蘇ってきましたね…。

もう少し、ワンワン、とワラワしてほしいのです、ボクには。
ボクの好みは…ですねぇ…ジェーン オースティン「高慢と偏見」で~す。そう、現代的に言えば「ラブコメ」なんです。
ちと、昔ならトムとメグの「ユーガットメール」でしょ、もっと昔ならジャック レモンとシャーリー マックレーンの「アパートの鍵貸します」とか…。
ああいうお話が好きです。ハッピーエンド…です!
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あとは、日本の時代劇…これはもうあきらめてます。だって、いま例えば「七人の侍」のキャスティングができます? ね、誰もいないでしょ! ちと、いやみったらしいのでこの辺で…と、思いましたが、「ジャック レモン」で思い出しました。この役者さんは優等生的雰囲気ではない。ただ、どことなく若い頃から「男の哀愁」「やさしさ」「せつなさ」を感じさせる役者さんでしたが、いまその残像を、吉野悠我さんに感じています。

…まさみ…
by masami-ny55 | 2014-04-24 03:42 | 日記

再会が続く…

8月に「坊っちゃんからの手紙」と題して、夏目漱石の初期作「坊っちゃん」を題材にして、明治ロマンを展開して、友情、あこがれ、男気質などの人間味を音楽と手紙で表現してみようと思いました。

そんな事を思っていても、なかなかキャストが揃いません。今日、ソプラノの茂木理さんとお会い出来ました。さっそく巣鴨のカラオケでオーディション。いろいろとやれる人でした。オペラのアリアから唱歌、ミュージカルソング、それと演歌まで。今回の芝居の趣旨を伝えたら「わッ、それはおもしろそうですねぇ」と、台本が出来る前から楽しそうです。

そんな事をしていたら、ふと、旧友・小倉一郎君を思い出しました。深作欣二監督の「仁義なき戦い-頂上作戦」での演技は未だに映画ファンの語り草になっている…。小倉君はいまでは、俳句の先生をしたり、中学生たちの演技指導をしたり、たまにテレビに出演している。
彼がまだ日活の子役から青年期になる頃、ボクは大学生1年でNETでバイトをしていたのです。報道番組のFDでした。そのスタジオの隣でドラマを撮っていた出演者の中に彼がいました。それがきっかけで、いろいろと話をしたり、渋谷でジャズ喫茶でレコードきいたり…。映画を撮ったり(これは途中で挫折)、ボクの青春時代を知る数少ない旧友です。
とにかく、所属事務所を捜して、連絡を待っていました。
まったく変わらないあの声で「小倉で~~す」とボクの携帯にかかってきました。
「ボクも…さんのことを捜しまくってたんですよ。とにかく会いましょう」と、何10年ものブランクを感じない世間話も。

新聞記者時代はほとんど会うことがなかったけれど、記者業を札業してから、不思議なもので様々な人たちと再会が続いています…。まさか、ボクが劇作家としてもやっているとは…、彼の反応が気になります…。

…まさみ…
by masami-ny55 | 2014-04-18 02:06 | 日記

23年ぶりの再会…ちと、メロドラマ的?

ふと思い立って「あの人」に連絡を取りたくなる…って経験のある人は多いでしょう。
「あの人」はいま、なにをしているんだろう…と。
ボクは今日、突然、旧友のことを思い出しました。FT君です。彼は確か、ガン患者に向けた雑誌を編集していたはずだ…と、突然思い出したのです。ボクはいつでもこんな調子なので、思い立ったら直ぐ行動です。彼と無性に話がしたくなって、あれこれ捜していたら見付けました。
早速、電話です。

事務所の人が電話に出て、「実はFTは昨年2月にガンで他界しました…」と、いう。
「ボクはFT君と昔の友人で、…まさみといいますが、ボクもガンになって…」と言ったところで、電話口の女性が「もしかして、…君?! 私、R子です」と、名乗った。FT君の奥様であり、ボクの青春時代を証言出来る数少ない女性です…。

話が尽きません、「ねぇ、今日会って話をしようよ」となり、R子さんの事務所はなんとまあお茶の水でしたから、ここ本郷とは目と鼻の先。で、さっそく御茶ノ水駅で合流。そのままクルマで板橋まで。彼女はお肉が好物だったことをボクは覚えているので、板橋の行きつけの中華店へ。

夫を亡くしていろいろと大変だった、その話を聞きました。FT君の最期のことばも聞きました。
ボクとFT君とは浜松町にある出版社で出逢いました。編集マンとしてFT君は腕のいい青年でした。不慣れなボクにいろいろと教えてくれました…。

その頃の1年前、大学時代から成城にある映画会社で演出部にいました。その時代、同棲生活です。で、ある日のこと、女性とケンカになって帰ってきたら誰もいません…。彼女は「別れるって言われてもいい…男の人と会ってきたのよ」。「だからなんだよ、ボクだってオナゴと会うけど」とかなんとか…。結局彼女はボクの勤め先に分厚い封書の手紙を送ってきた後、作家と結婚しました。
彼女がいなくなったアパートにいるのは、悲しすぎるから、ボクは彼女の親友であるR子さんが近所にいることを知っていたので、尋ねました。その晩、泊めてもらいました…。
その後、ボクはR子さんと生活を始めました。映画製作をしているロケ地に着いてきましたし、映画台本を見せてあげたり、ドラマの現場の様子を話したり…ケンカもしたり…。

R子さんとは結局友達のまま時が流れました。そして、ボクが映像と音楽から離れて出版社で務めはじめたとき、R子さんをFT君に紹介したら二人はなんと結婚したのです。
ボクはあのとき、ものすごくうれしかった。FT君がR子さんを人生の伴侶として選んだことに無性にうれしかった…。FT君にボク言いました。「R子を幸せにしろなッ、絶対だかんね…おめでとう」って。

あれから30年…。
R子さんと会わなくなって23年。まさか、こんな話になっているとは。
23年ぶりに会ったR子さんが、
「ちっとも変わってないねッ、派手なクルマに乗ってるし…」
「そういえば、R子さんの親友どうしてる?」
「彼女、ガンで亡くなったのよ」

んーー。やはり…。
以前、検索していたらたまたま彼女の名前が出てきて、ガンで亡くなったという記事だった…。
本人だったのか、と。
「結局残ったのはボクとR子さんだけか」
「まさみ君はあの頃、青春破滅型みたいに生きてたね、危なっかしい人に見えた」
そうだったかもしれない…どこか中原中也みたいに生きているってR子の親友がボクにそう言っていた…。

突然会うことにしたから、お土産がない。手ぶらで会うのもなんだし…。そこで「ユーガットメール」のパンフを過去数回に亘って持って見せた。

「えっ、舞台? 音楽劇…そうなんだ。結局まさみ君はまた元に戻ってきたんだ。なんだか…うれしい」
そう言ってくれた。

23年のブランクは感じない。いつものふたりが他愛のない会話を楽しむかのように、他の人たちからはそう映っていたことだろう…。


…まさみ…
by masami-ny55 | 2014-04-03 23:47 | 日記

「好中球」と「腕時計」

いまもその名をとどろかす吉行先生の随筆本に「なんのせいか」という一冊がある。ボクの大学時代、女性とケンカになって会ってもらえず、混乱していた最中、江古田の古本屋さんで見つけたのが、この本。文芸学科にいるのに、吉行先生を知らなかったとは恥です、ボクって。
ま、とにかく吉行淳之介先生の著作を買い求めて、毎日読みふけってしまった。
その中に息づく男のやさしさに共感していました。…いまだにあの時期のことは、いい想い出です。

ところで、最近「好中球(こうちゅうきゅう)」ということばに出逢った…。
なんのことか…。MLBが開幕したから、その話題かな…と、思われた人もいるでしょう。まさに、絶好球以上の打者にとっては「ど真ん中の球」のことか…と。違います。

野球用語ではないのです。医学用語…でしょう、これは。
白血球には5種類あるそうですが、そのひとつがこの「好中球」。好中球の役目は、要するに「軍隊の強者たち」です。バイ菌が体内に侵入したらその「悪漢たち」と戦闘開始、一匹残らず退治するまで、戦闘をやめません。「悪」がいなくなるまで徹底的に戦い続けます。体を守る兵隊さんですから、その数は多い方がいいのです。なんだか、人海戦術の中国・水滸伝みたいな話ですが、そう思われてもいいです。ふつうの人なら、白血球全体の50%以上が平均だそうですが、ボクは昨日の検査結果で40%以上になっていました。
それを見たボクの命の恩人先生が「順調に回復していますよ」と、まあ、なんとも珍しくボクの体の快復を祝福してくれちゃったのでありますよ!
で、ボクは恥も外聞もかなぐり捨てて、質問しちゃった。
ボク「先生…」
先生「んーー?」
ボク「最近なんですけど…あのですね、…つまりとくに朝ですが、すごく元気になっちゃって…痛いくらい…で。先生、つまりそのアレしちゃっていいんですかねぇ…」
先生「あっ、それね、ドンドンやっちゃってください。体調がいい証拠ですから」
と、あっけらかんとおっしゃった。

こんな質問ができるようになったのも、医療関係のことばに関心が向くようになったことも、命の恩人のことばに感動する自分に出会えたことも、そしてボクにはこんなに沢山、ともに生きて、支えてくれる人たちがいることも、そんなことを改めて実感できたのは、明らかに「ガン」になってからである。
ちと、折れそうだったボクの心に生きる力が蘇り、学生時代にやり残したことをはじめたのも、吉行先生風にたとえれば、みんなみんな「ガンのせい」であり、「ガンのおかげ」だ。
心臓病にになった行きつけの珈琲店の親爺さんがボクに言いました。「身辺整理をしておいた方がいいよ」と。秋山ちえ子さんはその随筆「さよならを言う前に」のなかで身辺整理のことを書かれています。そうでしょうけど、ボクは身辺を整理するほど、ボクの身辺は広々としてないし…、まだまだやる気が学生時代のままだし…で。人生の大掃除をするには、まだまだ若すぎるので先にしておきます。そんなに年齢もたくさん取ってないとおもってるし…。

不思議なものです。ガンという最悪な病原菌を体内に抱えて、そのバイ菌を駆逐する「好中球」が活躍して退治してくれているけれど、ボクは「悪」に、生き方の「善」を確認させてもらえた。

e0013640_14463134.jpgそうそう、25年ぶりでなくした腕時計が戻ってきた…。過去に出会った人から小包がとどき、その中にこの腕時計が入っていたのです。革のベルトはボロボロになっていました。長い間、誰にも使われていない様子です。
ボクがまだ経済記者だった頃、アメリカで取材していたときに、小達君という青年が「これは、父親の形見なんですが」と言っていただいたのが、この腕時計。超薄型で手巻き、中2針です。MICHEL HERBELINというメーカーなのですが、日本にはお店を出していませんでした。で、25年も行方不明だったこの時計が戻ってきたので早速調べてみたら、なんとMICHEL HERBELINはつい最近、日本に進出していました。

なので、この腕時計も「検査入院」させてあげようと思いました。
日本のMICHEL HERBELINに電話したら、「古い時計ですね、私にはわかりませんが、検査はできます」と、とても親切な応答です。行って確かめてこようと思いました…。



生きていると、いろいろ起こります。だから、人はこんな刺激にうれしくて、楽しくて、生きていようと思うんでしょぅね。
みんな、生きよう!



…まさみ…
by masami-ny55 | 2014-04-03 14:47 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


by masami-ny55

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