<   2012年 01月 ( 3 )   > この月の画像一覧

「空飛ぶブタ」の物語

今年の夏がきたら自作の音楽劇を公演します。いつも劇場で行う予定ですが、なにせ抽選なので日程が確定するのは2月にならないとはっきりしません。

今回で、10回目。年に一度ですから今年で十年目を迎えます。ところでこの音楽劇ですが、始めたきっかけはニューヨークに住んでいるピアニストとのメール交換でした。最近はなくなったようですが、e-mailでの「文通」です。ですから、お互いに会うことを前提にはしていません。むしろ、会わない相手と「PCを使った文通」ということになります。ところがこのピアニストのコンサートを見に行ったことから話しが急転して、ジョイントコンサートを創ることになったのです。なので、コンサートのタイトルを「ユーガットメール」としました。1回限りで終わるつもりでしたが、結構好評でしたから調子に乗って「じゃあ来年もやりましょう」と約束。翌年、小さいホールではなくて300人以上入るちゃんとした劇場を用意しました。ところが、本番直前でピアニストはNYに帰ってしまいました…。大騒ぎの結果、ようやくピアニストと出会って、第2回が出来、3回目からはピアニストはこの時であったピアニストに落ち着きました。

コンサートは落ち着いたのですが、ボク個人のモヤモヤ感は尾を引いたまま。そこで新たに「文通相手」を探してみました。様々な方がいました。すると…、簡単な自己紹介がされています。その文章を読んでみればある程度の人柄は伝わります。
その中の一人にハンドルネーム「空飛ぶブタ」がいたのです。
絶対にデブですよ、絶対。絶対に楽しい人ですよ、絶対。絶対にネアカでオッチョコチョイですよ、絶対。
と、思う反面、気が触れているかも…ヘンな人もいるからなあ…まあ、ヘンテコリンだったら返信しなくていいし、と軽く考えて、まずはそれなりの手紙を出してみました。返信はきっちりとした文章で綴られていました。ブーブーちゃんにしてはずいぶんお上品な文章を書くなあ…と感心しちゃたのです。で、「会うことがない文通相手」ですから、とお互いのルールを決めてスタートしました…。

今年でふたりのメール交換はおよそ十年間続きました。
最近ではふたりともなにか特別なことがあったときに、想い出したように書きあう程度ですが、十年間では、メールで言い合いもしました。ケンカになったこともありました。その都度、手紙文って難しいと思い知らされたものです。スタートした頃は一日に4通の日もありました。住所も知り実際の肉筆での手紙も交換しました…。「空飛ぶブタ」のメールからヒントをもらって、許可を取って、メールの文面を台本に使ったこともありました。

ブタさんは韓国の大学で日本語の教師をしています。「ことばの世界」では、ボク同様大変関心の深い人です。そんな共通性がこれだけ長い間、メール交換が続いた理由のひとつだと思います。

ブログの楽しさを教えてもらったのも実は「空飛ぶブタ」です。ブログがなにかをボクは知らなかったし、関心もなかった。そして、韓国ドラマを覚えたのも、「ブタさん」のおかげです。韓国という国に関心を持つようになったのは明らかに「ブタさん」のおかげなのです。それまで韓国はボクにとって、遠い国でしかなかったから…。韓国の徴兵制度と青年像を紹介してもらったり、韓国の平均的生活ぶりも教えてもらいました。韓国という国が身近に感じてきたのもまた、「ブタさん」のおかげです。

会うことはない「ブタさん」と、遠い国だった韓国…。

しかし、人生って思わぬ方向に向うことがあります。
ボクは十年間のメールで、仕事のこととプライベートは書かないままにしていましたから、「ブタさん」は「まさみさんって、どんな人なのか、一体どこでなにをしている人なのか知らなかった」のです。このミステリアスな関係が「メル友関係」として、ボクには丁度いいバランスだったのですが…。

ところがある日のこと、「ボクの夢」を書いたときでした。自分の仕事を初めて「ブタさん」に書かなくてはいけないことになったのです。そこで、自分の仕事のサイトを転送したのです。
それを読んだ「ブタさん」は、「学生を紹介するのなら、私が参加してみて体験してみないと力が入りませんから」と、ボクの仕事に大変な関心を示したのです。で、わざわざ韓国からボクの授業に参加しに来られました…。会うはずのない「メル友」がおよそ十年の歳月を経てはじめて出逢いました。しかもその場所はボクの「夢」の詰まっているボクの教室で。
やりにくかった、今回の授業は…。

韓国はその昔、ずっとずっと大昔。大和の国に大陸の文化を伝えてくれた。「漢字」という「当時のコンピュータ」もまた、韓国経由で大和の国に伝承されているとか…。現代韓国ではもはや「ハングル文字」という発音記号で綴られることが多く、「漢字」を見かけることは少なくなったとか。ハングル文字はその昔15世紀の韓国王朝が創ったものと聞くが、日本語と文法が似ているのは興味深い。現代韓国はキリスト教とはいえ、まだまだ儒教精神が実生活を支えているようにボクには見える。その儒教精神は現代日本の実生活にも共通してはいないだろうか…とさえ、ボクには思えるのです。年功序列の精神と縦割り人事の徹底ぶり。男女の明確な人生観の違いや、個人的誇りを大切にする生き方などなど…。昔々お世話になったであろうこの国にボクはボクなりに「夢」を描いた。ボクが見つけ出した「言語世界」を持ち込んでみようと。ボクの尊敬する白川静先生でさえ、研究の土台は「漢字の精神」だった。ことば、そのものだ。
ダメかも知れないが、ボクはまだまだ、このまま旅を続けようと思う…。

「ブタさん」は、まったく新しくなった授業に参加した。ここまで授業内容を改革するのにはボクは、ずいぶん失敗を繰り返してきた。そのたびに訂正を加えてきた。十年前と今の授業はテーマすら違っているほどだ。この授業が終わると直ぐに「創作コース」に申し込みをした。しかも、授業料までその場で済ませてしまうのです。

ということは、ボクはもはや後には引けない。「ブタさん」が創作コースに参加すると言うことは、韓国で「創作コース」を実施する必要が生じる。たったひとりの参加者のためにボクはかつて姫路、京都、新潟、仙台などにも出かけたことがあった。韓国でも同じことだ。さいわい運賃も国内の旅と比べて、大差はない。
今年、ボクの授業が韓国で行われる「夢」を描く。韓国の学生たちと話しをしてみたい。彼らの「夢」を聞いてみたいではないか。「ことばの世界」がどこまで広がりを持つか、そんなことを思うだけでも、ボクは自分の「夢」が限りなくひろがっていく。まるで大空を飛ぶが如くに…。

ただの「メル友」だった「空飛ぶブタさん」が、ボクの「夢」を一緒になって飛ばしてくれることになるなんて…。こんなことって、人生でそうそうあることではないでしょう。


…まさみ…
by masami-ny55 | 2012-01-24 03:56 | 日記

劇団AUN「十二夜」 横田&沢海&蘭 お見事!

おもしろかった…。

劇団AUN「十二夜」を初日に見た。学生時代からボクは初日の舞台は避けることにしているのですが、仕事の関係でどうしても初日に伺うことになった。赤坂にある小さな劇場で、他の劇団も使っているからよくここにはお邪魔している。用意してくれた席はなんとまあ、どセンター。初日の舞台でこの席で…。

三時間の公演はあっという間に過ぎていく…。笑いと緊張感のメリハリが小気味よかった。
大人の笑いが自然と出てくる舞台は、いまどきそうはあるまい。横田栄司さんのトービーには引き込まれた…。横田さんのあの独特の「声」と「台詞回し」は天下無敵だろうとさえ思わせる。舞台上が少々賑わっているハイテンポな台詞続きの場面ではあえて、のんびりとそして静かに台詞をまわしていく。
この横田さんを引き立てているのが、アンドルーの長谷川志さん。長谷川さんの道化ぶりもまたこれはこれは、天下無敵。天下無敵が二人揃ったら、こういう舞台が出来上がります。お見事!

ラスト間近で、林蘭ちゃんに思いっきり手打ちまでくらう長谷川さん…。道化が観客にちゃんと同情さえされてしまうあたり、もうこれはこれは、天下無敵のアンドルーが仕上がっています。

蘭ちゃんと言えば我が「ユーガットメール」のレギュラー女優様。テンションの高さは当代随一の女優。その彼女がなぜか慎ましやかなオリヴィアに扮して登場。見ていてこちらが気恥ずかしくなりましたが…。楚々とした振る舞いのオリヴィアのはずが徐々に「蘭ちゃん節オリヴィア」へ突入していきます…。ご本人はボクに、「超二枚目をやります」とおっしゃっていたのですが、やはりそこはそれ蘭ちゃん。自分流が天下無敵の立ち位置。宝塚の大女優・安寿ミラさんを向こうに回しての相手役。凄まじい女対決の場面では大女優の風格そのものでした…。

なんというか、最近のテレビはこんなドラマをやってくれない時代です。昔、「上方漫才」といいましたが、そうとは言わずに、「お笑い芸人」のおしゃべり番組が目立ちます。どのチャンネルでも「上方」ではなくて(失礼!)、「関西弁」だらけ。なので、役者さん達の芝居が見たければ、こうして芝居小屋に出向かなければならない時代になった。蜷川先生がシェイクスピアの悲劇がお好きなようですが、一方ここ劇団AUNは喜劇を追いかけています。

今日、四日間の出張から戻って職場での仕事が早く気の上がったので、また「十二夜」を見てきました。
落ち着いて笑える大人の舞台だと、改めてそう感じます。
吉田鋼太郎先生の「偽手紙誤解の場面」では、ハンカチを用意しておかないとエライ目に遭います…。悲しいから涙が出るのではなくて、おかしすぎて泣けてくるのです。ここまでやるのか、吉田先生!と。

今日、チャッカリと沢海陽子さんのサインをいただいちゃったのです。彼女のセバスチャン、可愛くて、しかも印象的。ボク好みの女優さんなのです。
坂田周子さんのマライヤがまた、ほれ、天下無敵のスットンキョウです。テンションが絶対に落ちない。早口での台詞まわしは、さすが劇団AUNの女優です。妙にカワイイのですよ、この人。

で、職場の仲間たちと帰りの地下鉄で話したことは、ボクの大好きな「ヘンリー五世」を是非是非劇団AUNで公演して欲しい、と…。チャンバラが子供時代から大好きで、東映映画ばかり見てましたから…。
4幕3場「セントクリスピンの演説」を、どうでしょう、横田栄司様、おやりになってみては…。お似合いだと存じますが。宿敵フランス軍の大将には劇団AUNの主幹である吉田鋼太郎先生に…。
そんな「夢」まで見させてくれた舞台でした。

…まさみ…
by masami-ny55 | 2012-01-17 04:42 | 日記

新年初物

年が明けて、平成24年。辰の年になった。
だから、いちいちやることなすことに「お初」がつきまとう。ここ1週間程度はこの「初物」で気分を新たに出来るというものだ。
まずは、恒例の日光東照宮に初詣して、いつもの山のレストランで初のランチ。輪王寺でおみくじを引いたら、「大吉」。

ところで今日のこと。初めての体験をした。都会ッ子のボクが生まれて初めて「精米」をした。栃木の田舎に家を建ててしまったので、仕方がないが近くの人から30キロの玄米を精米して欲しいと頼まれた。
「精米ってなに?」
機械があるから100円玉を入れれば出来る、と簡単に言う。分厚い紙袋に入った玄米はなかなか持ちにくい。重たくて、手に食い込んで痛みが伴う。考えたあげく、抱きかかえてみた。なんとか玄米30キロを抱きかかえられた。クルマのトランクに載せて、畑の横に建つ「精米室」へ。
やり方はイラストにして精米器の横に描いてあった。その手順に従ってみると…。
まず30キロの玄米を一気に精米口に開けるのだが、これが案外難しい。100円が10キロと描いてあるので、失敗したらまずいので、200円を入れた。ボタンを押したらもの凄い音と多少の振動が狭いプレハブに響き渡る。ちと、こわい…。
「ヌカも持ってきてくれ」
とも言われたので、ヌカが必要な場合はこのボタンを押せ、とイラストにある。なので、押したらヌカは出てこない。いつまで経っても出ない…。なぜでない?と考えている間に、玄米がもの凄い勢いで「白米」に精米されていく。
どこを押せば袋に戻るのか…イラストを見直す。足下にペダルがあった。ペダルを踏んでみたら、どさぁ~と白米がこぼれる。ヤバい。落ちる口がわかったので、そこに紙袋をあてがってから、ペダルを踏む。白米は袋に落ちていく…。
しかし、ヌカがまだでない。ここから出てくるはずだが…と、手を突っ込んでみたら口に詰まってた。手を入れたら、粉末状になったヌカがこぼれ落ちた。出来た。

ヌカも大量に出来たが、疑問があったので届けたときに訊いてみた。
「このヌカ、なにに使うの?」
すると、ぬか漬けに使ったり、畑の肥料にもなるというのだ。えっ、ぬか漬けってこれを使うんですか? 
うそっ!
ボクはいまのいままで知らなかった。都会ッ子だからではなくて、ボクがひどすぎる。ぬか漬けのヌカと、今日のヌカとは別物と思っていた…。

こうやってお米が出来ていくんだ、と体験できただけでも、とにかく、楽しかった。で、早速電気屋さんに行った。電気釜を購入するためだ。そしたらいろいろと、取り揃えてある。1万円以下から始まって、なんと10万円クラスまで。圧力ナントカ…、などなど。「ふつうのヤツで…」「そう言われましても…どうなさいますか?」
たかが電気釜と思うなかれ。これだけの中でいろいろ説明されたら、どうすることも出来ない。
んーー、東芝は母親の時代だし…、パナは松下かぁ…、象印にタイガー…魔法瓶じゃなかったのかぁ…、んーー、どれにしようか…。IHのなんとか…に決めたら、1万円程度だった。

精米したてのお米をこの電気釜で炊いてみた。いやいや、いや。美味美味、大変に美味しい。長嶋さんの納豆が届いていたので、それと海苔で食べた。「日本をしている」って感じだった。自分で精米して、自分で炊いて食べたご飯って、生まれて初めて。初物揃いの新年とはいえ、この体験はそうそう、できるものではあるまい。


…まさみ…
by masami-ny55 | 2012-01-03 02:53 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


by masami-ny55

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

Translation(翻訳)

記事ランキング

以前の記事

2015年 10月
2015年 04月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 08月
more...

カテゴリ

全体
日記
我がヤンキース
自己紹介
未分類

フォロー中のブログ

空とぶっちゃの日々
松井秀喜選手の「夢」物語

検索

画像一覧

その他のジャンル