ハッチの宝物

最近、急接近してきた友だちを紹介します。ハッチと言います。
おとなしくて目立ちません。東大の大学院生だったのですが、このままでは、
「生活が不安になる」との理由から、数年前に畑違いの会社に就職。社会人になりました…。
ボクとの出逢いは社会人になってからのことです。
ホント、目立たないのですよ。みんなと食事に行ったって、自分から話しかけたりもしません。でも、ニタニタして楽しそうにはしているのですが、ね。そんな彼をボクは気にもとめません。いつもの仲間たちと雑談です。

もうひとりハッチと同じく、目立たないヤツがいます。ウドンコっていいます。名大卒業後、地元の会社に就職。背は高いんですが、自分から話しかけてくるなんてことはしそうにない…。
このふたり、なにが楽しくてボクたちにくっつていくるのか…とんと、見当も付きません。

で、最近、ハッチがボクに話しかけてくるんですよ。それも難しいのよ、質問攻めで…。
アタマのシンがズキーーンっと痛くなっちゃうのです。
「お前ねぇ、なんかこう、情熱傾けたことってなかったのかよ? クラブ活動とか、恋愛とか、映画とか音楽とかさぁ…いっこぐらいあんだろ、よぉ?」
「ないです…」「あ、そう…。じゃあさあ、沸騰したことがないのなら、せめて90,80度程度の情熱でもいいからさあ、そういうのないのかぁ?」「中学まで野球やってましたね」「おお、それ何度くらい?」「まあ、80度かなぁ」「そうか…まあ、な。ひとつ、あればいいんじゃないか。で、ウドンコ。お前さあ、恋愛結婚って聞いてるけど、ホントか? その頃の温度は何度くらいなんだよ?」
「120度…」「うっそう! お前がぁ」
なんでいま、こんなふうになっちゃったんでしょ。さむ~~いのよ、ね。この、おふたりさん…。

まあ、そんなこんなで別段話すこともないし、話題もなさそうなふたり。ボクみたいな一般人はこういう秀才とは絡むことはないだろうと思っていたのです…が、しかし、なのです!

なんでそうなったのか、ハッチとウドンコがボクのアパートに来た。もちろん、友だち数人に混じって。
気がついたら、ウドンコって名古屋に住んでるんですよ。ということは、今日はよっぽどいいことがあったのか、東京まで新幹線に乗って来ちゃってます。そのまま、みんなと合流。ハッチも、だんだん馴染んできた様子。自分から話しかけてきます…。ま、これがふつう、なんだけど…。

ボクの部屋に入ると、ハッチがボクの部屋に飾ってある「松井選手のカレンダー」2004年から2008年をジロジロ観察。そして、パソコン部屋の壁に飾ってある「ミッキーマントル500号」と「ムッシーナ投手直筆サイン入り額」などをジッと見つめる…。
「松井選手が好きなんですね。ボク、松井選手と握手したことあるんですよ…」
「なにぃ~~ ハッチ、ホントなの?」「写真も撮りましたけど、ふたりで…」
そのことばに全員が直立不動! 全然似合ってない話題が、突然意外な展開を示し始めました。
ハッチと松井選手…。「握手しました…けど」と、ヌケヌケと。許さない、絶対に許さない…。
「なんでそんなこと、できんのよぉ」「オッカケ、やってましたから」「お前がぁ、いついついつ、いつだよぉ」
「高校時代」「お前ねぇ、この前情熱は80度って言ってたじゃないのぉ…それ、100度以上でしょう、それは」 ウドンコも「でしょうね、明らかに」

ハッチはさらに続けてこう言った。
「松井選手のホームランカード、最近のはないですが大体持ってますけど…」
「なによ、それ?」
「ホームランカードって知りません? 会員になると、送ってくるんですけど」
「カイイン? なんの?」
「松井選手のカイインですけど…。なんだったら、今度持ってきますよ。見てくれますか?」
「みる」

で、昨日。ハッチは「押し入れの段ボールから」持ってきたのが、これです。
e0013640_25767.jpg
なんとなんと、巨人軍時代の松井選手1号ホームランから、通算333号にあたる大リーグ1号のあの満塁ホームランはじめ、ワールドシリーズ1号のカード、2006年までのカード全部。きれいな専用のカードケースに仕舞い込んであるではないですか。
「すっげぇ~~」

e0013640_261191.jpgその場に立ち会った友だちのなかで一番度肝を抜かれたのはボクではなかった、カッパ君でした。
「ヤバイっすよ、これヤバすぎ。ハッチがこんなことしてたなんて…」
「お前ってさあ、シンはそうとうアツイねぇ」
「そんなこと言われたのって、はじめてですよぉ」
「アツイ奴じゃなかったら、ここまではできないぞ」

だって、松井選手の他にも、多数のプロ野球選手に直にあって、サインをしてもらっているのです。そのカードも見せてもらいました…。
「まさみさんと会ってから、ボク、少しずつなんですけど、人と話をするのが楽しくなったんです…」
「そ、そっか…いいのか、わるいのか…また、みんなとチャでもいくか?」
「ヤンキースタジアムって行ったこと、あるんですか?」
「ああ、行ってるよ。箱庭みたいなもんだけど…」
「箱庭、ですか!スゴイっすねぇ。ボクはまだ行ったことなくて…一度でいいから行ってみたいなぁ」
「あ~~~あ、切ないなぁ。そんな声、出すな! オトコだろ。今度行くからそのとき誘ってやるよ」
「約束、ですよぉ」「くどい、約束だろ、わかったわかった」「ケン グリフィー ジュニアと松井選手の試合も連れて行ってくださいよ」「シアトルの友だちも紹介しろってかぁ?」「外国にも友だちがいるんですかぁ…。やっぱ、まさみさんって不思議」「キビ悪いんだよ、その言い方は。紹介してやるよ、ところで英語は?」「できない」「あああああ、じゃあ、とにかくしゃべりまくれ。なんでもいいから」「しゃべるってことと、話すとは意味が違うって言いますが…」「おんなじ。アタマいたくなる質問はしないように。いいなッ」

「このカード、押し入れに仕舞い込んじゃダメだよ。みんなに見せてやれよ」
「でも、すべての人が松井選手のファンとは限らないですし…アンチもけっこういるみたいですから」
「いいから。うるさいのぉ、お前は! 見せてあげなさいってばぁ。モリアガルでしょ、これだけでも」

e0013640_26521.jpgいくら松井選手の大ファンといえどもボクはカードを集める、という趣味はありません。でも、ハッチがここまでした気持ちは十分に理解できます。当時、友だちらしいヤツが少なかった彼にとって、高校時代からの楽しみは「松井選手の追っかけ」しかなかったのでしょう…。ひとりだけでカードを集めて、そのカードも社会人になっってからは、押し入れの段ボールへ仕舞い込んでいたハッチ…。
地味で、シャイなヤツ。

ボクとはひとつも共通点なんてないはずなのに…。出逢うことがないはずのハッチとボクは、「松井秀喜選手」の存在がつなげてくれました。そのハッチがこんなことも言いました。
「いろんな選手がいました。ファンを無視する選手もいたし、なんか怖くて近寄りがたいオーラを出してる有名選手とか。その点、松井選手はファンにはやさしい人でしたね。そんなにベラベラしゃべったりはしませんでしたが、さほど忙しくない時は写真だって一緒にとってくれる人でした。忙しい時は、手で押しのける選手もいたり、厭な顔して無視したりする選手もいますが、松井選手はそんなことはしない人でした。急いでいる時は、ごめんね、とやさしく声をかけてファンに言う人でしたね…」

そう、そうか。ハッチはそんな松井選手にますますあこがれを増していったんでしょう…。

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…まさみ…
by masami-ny55 | 2009-03-02 02:10 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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