シミタイの急接近

最近、旬な言葉に「急接近」がある。
とにかく、ボクのまわりではこの言葉が大流行しているのだ。
急接近。そもそも、この言葉の源になったのは他でもない、ボクのヤンキース狂いだ。目下、1位ボストンとの差は1.5Gに「急接近」している。14.5Gも遠く離れて、今季は優勝とは縁遠い、とまで思われていたのに。大変なガンバリ様だ。
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「どう、今日会おうよ」と、電話すると
「昨日からさあ、仕事が溜まってて…。ウチの課長、アタシに急接近してくるんだよね。他に頼めばいいのに…」とか、こんな調子で。または、「傘、また忘れちゃった…。デパート売り場が急接近してるんだよね、この頃」とか。まあ、使い方さえ間違えなければ、けっこうジョークが利いて、いま風な会話をエンジョイできる。

で、この急接近。
ボクにまた数ヶ月前から急接近してきた男がいる。その名を、シミタイ、という。
姓が、鈴木とか加藤、佐藤に山田そして田中、小林…は、ずいぶん多い。その中に、清水という姓も多い。ボクは友だちだけは、こと欠かない。日本全国、世界のアッチコッチにも友だちがいる。
なので、宿泊に困ったこともさほどない。医者もいれば、劇作家もいるし、音楽家もいたり、コンピュータ技術者に帰国子女だの、風呂屋もいるし老舗の呉服屋さんに、牛乳屋さんもいるし、小料理屋の女将もいたなぁ…、日舞の先生もいるし、看護婦さんが多いなあ。税理士はいるけど、ただ、弁護士…は、いないなぁ。でも、検察官には友だちが多いし。どういう訳かなぁ? 小、中、大学校の先生にも友だちが多いなぁ。なんでかしら? まあ、そんなことはいいとして。
 
友だちの多いボクとしては、その中には同姓がいるので、友だち同士で話していても、「あの鈴木がさぁ…」といったところで、「どこの鈴木?」と、聞き返される。なので、ニックネームで呼んでしまう。
本人の姓名をもじって、ニックネームを付ける場合もある。元吉をガンキチにしたり…。で、清水を「シミ」だけ取って、名前を簡略化するとけっこう楽しい。例えば、清水健太だったとしたら、「シミケン」、清水ひろこさんだったとしたら「シミヒロ」、清水卓朗君なら「シミタク」…といった具合で呼ぶ。それがいつの間にか、仲間内で浸透するから、またまた楽しい。

e0013640_294361.jpgで、「シミタイ」の姓は清水なのだが、このシミタイ、ご本人が「なんか、汚らしいなあ」とお気に召していない様子。確かに、言葉の響きといい、音から来る連想も、お世辞にもきれいとは言えない…。
しかし、不思議なもので、ボクの体験上、いつしか慣れ親しんでくる。仲間内でそんな呼び方が定着すると、いつの間にかご本人も「なあにぃ~~」と、返事をしてくる。まあ、「シミタイ」もそのうち、定着することでしょう…。

このシミタイのボクへの急接近の仕方は、最近、例を見ない。時間とは無縁なのである。
夜中に仕事がすむらしい。大型コンピュータのシステム開発を請け負っていて、事故があればすっ飛んで行くようだ。

で、先日も夜中の1時過ぎ。このアパートに「ボク、シミズで~~す。最近ちっとも話してなかったから、淋しい! マヤクですねぇ、マサミさんの声って。聞かないと、ホント、淋しかったんですよぉ」 
おいおい、男同士で…。アブねぇんだよ、そんな会話は! キビ悪いし!

とにかくいい男なのである。責任感が強いのだ。時々不思議に思うのだ。ボクの感じでは、彼の感性は現在の業務だけを思えば理数系なのかな、と想像してしまうが、明らかに文学的なのである…。人の努力した話を聞くと、シミタイは涙を浮かべて食い入るように話を聞こうとする。お菓子を食べると、ホントに旨そうに食べるのだ。
「どこで買ったんですか」だの「いくらで売ってましたか?」なんて、理数系の質問をしてこない。
背丈の大きな弟がいるそうで、チビ君のシミタイは「その差があり過ぎて。だから、あんまり近寄るなって言ってます」その弟を、じつによく面倒を見ているのもボクがこのシミタイに興味を持っている理由だ。家族を大切にしているやや古るめかしいタイプの日本人なのだ。きっと、シミタイの親御さんが彼をそう育てたに違いない…。

e0013640_2101962.jpg音楽でもそうである。タイトルは知らないが、曲を覚えていて、ヘタッピだけど自分で旋律を歌うのである。「きれいな音楽ですよねぇ」とか、言うのだ。花を見ても「赤い花より、もう少しピンクがかった小さい花が好きですよ、ボク」なんて、ドキッとする表現をしてくる。
「この花は2年草で…なになに種のなに科で…」なんて、理数系の観察はまずしてこないのである。
神戸にある国立大学文系の出身で、どこかボクと話が合う。


シミタイに、「お前さぁ、冬のソナタって見た?」「なんすか、それ? 音楽の関係のなんかですか?」「…」 話にならない。
「韓国ドラマ! ホントに知らないの?」「全くボクの人生とは、無縁ですね」「アホッ、冬のソナタを知らないなんて、いま時、非国民ですよ! なぜ、これほど日本国中で話題になっているのか、それを確かめたいとも思わないのか!」「はい、思ったこともありません」「お前さぁ、いままでなにが楽しみで生きてきたんだよ…」「楽しみ、ですかぁ…そう言われてみると、思い当たりません。淋しいですね、ボクの人生」「あ~~~~、じゃあさぁ、しばらく付き合え。いろいろと刺激してヤッから、さッ」
「よろしくお願いします」と、言うことになったのがつい3ヶ月前のこと。

シミタイは以後、自分の行動に目標を持って生きるようになった。
「自分だけがいいってのはダメですよ、ね。ともにいい結果を出すように行動することですね」
なんて、最近は言い出している。

で、なんとなんと、このシミタイ。本日、自分のグループを「達成」に導いたのである。
余程うれしかった様子で、「マサミさん、今日はボクのおごりです。付き合って…」
言われなくても、とっくにボクはそのつもり。チームの主将であるムラタ君もうれしそうです。
「人のために生きてみろ! それを目標にしてみろって言われた意味がいま、少しだけですが、わかりかけてきてます…」
シミタイが、ポツっとそう言ってた。そして、いつになくシミタイの眼差しに輝きがあった…。

e0013640_274197.jpgこいつ、シミタイとは、なんだか長い付き合いになりそうである。





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by masami-ny55 | 2007-09-22 02:10 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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