op.125

新たに生まれた「この年」。
新たなる誕生、無垢の瞬間。無垢の時空との出逢いです。
まるで、この世に生まれた赤子のように…。無垢をどのように彩るかは、それぞれの人たちが抱く「夢」とその実践。どう生きてみるか…です。

2007年、新年の瞬間。
ボクはこの瞬間、地上にはいなかった。ほんの瞬間、…いなかった。
あと…5秒、…4,…3,…2,…1。その瞬間、立っていた椅子の上から空中にジャンプ!

2007年が生まれてほんの僅かな時間を経へ、新世界に着地です。
ストン!
ボクは「新しい世界」に降り立ったのです。
これからボクは無垢の時空の旅人です。365日の新たな旅の始まりです…。

新年に着地して、まずは、ボクの好きな「音」をこの耳に入れたかった。なににしようか…と、選んでいたとき、電話が鳴りました。新たな年が生まれてまだ数分しか経っていないのに。
「あけまして、おめでとうございます」
「おめでとう!」
ボクが新年、初めて言葉にしたのは、カワカミさんへの「おめでとう!」でした。

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さてさて。
数々あるボクのお気に入りの曲の中から選んだのは、「ベートーベン交響曲第9番(作品125)」の、
「第3楽章」です。音量をいっぱいにして、この輪舞曲を体いっぱいに染み込ませたい…。英国製タンノイのスピーカーの中央にドカッと陣取って、コーヒーの香りを友として…さあ、聞こう!

この楽章は、個人的に「これ以上の美しい曲はない」と思っているボクにとっての「美の象徴」です。弦楽器が、アダージョのテンポをキープしたまま続いていきます。そのテンポは、幻想的なハーモニーを生み出し、それはそれは緩やかに流れていきます…。高山の万年雪がほんの少しとけて、小さな滴になって集まる。限りなく透明な水滴たちが集まって細々しい水の糸を下へ下へと描く…。その透明な糸たちが絡み合い、細い小川の源流が生まれ、そして若々しい小川になって…。そんな「河の物語」ようにさえボクには聞こえてきます。やがて、あのホルンのスケール演奏には「夢と希望」の光さえ感じてしまいます…。この楽章は、ボクにはまるで、瞑想曲を聞いているかのようです。
2つのテーマが交互に現れる。まるでそれは生まれたときからの約束のように、別々の2つテーマがロマンティックに出逢っては、また入れ変わる…。
あたたかな愛に満ちあふれた穏やかな楽章と、かつてのボクは友だちにそう言っていたものでした。
ヒトミちゃんに子供が生まれた日も、この「第3楽章」を聞きました。これから始まる「無名の新人」の人生を思って…。
昔のことですが、そう、かなり前。まだ高校生だった頃。上野ではじめて「第九」を聞きました。あまりの美しいハーモニーに心の底からのんびりしてしまって、そのまま眠りに落ちました。その後も決まって第3楽章が始まると、ボクは眠ってしまうのです。NYのリンカーンセンターでもそうでした。お恥ずかしいけど…。要するに、ボクにとって「ベートーベン交響曲第9番第3楽章」とは、安らぎの時間、なのであります。「第4楽章」のトップで、突然目を覚まされるまで、グッスリと…。

演奏会場では眠ってしまうのに、タンノイのスピーカーから流れる時は、聞き入ってしまうから、不思議ですねぇ。

散々繰り返して聞いて、散々様々な瞑想して…その後で、いよいよそのまま「第4楽章」へ繋ぎます。
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舞台は突然一転しますね、ここから。
いままでのテーマをことごとく否定する「第4楽章」は、聞いていて鳥肌が立ちます。目覚めるというか…。孤独感の中から突然の稲妻の光のごとく!
管弦楽が前の3つの楽章を回想するのをレチタティーボが否定して、やがてあの「歓喜」のテーマが提示されます。
まるで、「愛だけで人間が生きられるものか!」と、ベートーベンの叫び声すら聞こえて来るではありませんか。第1、2、3楽章のテーマをコントラバスがことごとく否定していく…。
混沌を否定し、理知性だけのフレーズを否定し、やさしさだけ愛をも否定し…コントラバスは、管楽器のハーモニーと戦い、そして、迷う…。
やがて、その迷いに突然光が射し込んだかように、大地から静かに立ち上がるかのように、コントラバスの音色を思わせるかのようなチェロが「歓喜」のテーマをゆったりと歌い始める。そのテーマを弦楽が引き継ぎ、やがて金管も木管楽器もこのテーマに参加して、「歓喜の世界」が現れる。あたかも、大海原の高波のようなハーモニーがボクの心に響き渡ります…。
ティンパニー! バリトンの歌声だ! そして、人間たちのすべての声がハーモニーになって「合唱」がスタートする。同時に、すべての「楽器たち」が一緒になって足並みをそろえ、ハーモニーを立体的に創り出していく…。

ひとつの楽器が、生きる。そして、みんなの中でひとつの楽器は生きている。
ひとつひとつの音は、ひとりひとりの人間のようでもある。混ざりあってひとつの、まったく新たな世界を生み出す…。

生きてるか! 君は人間たちとともに、すべての生き物たちの中で、生きてるか!
さあ、全人類よ ともに手を繋ぎあって この地上で「人間らしい行進」をしようではないか!
歓喜とは決して個人的私物ではなく 宇宙空間の中で生きるボクと 君たちとともにある!
生きろ 人間たちよ! 光の道を歩もうではないか!
人は しあわせになる為にこの世に生まれた!
力の限り 人々と手を取り合う勇気と 自由を! 
この地上の存在こそが かけがえのない「歓喜の歌」 そのものなのだから!

楽譜「op.125」から、ベートーベン先生のそんな声がボクには聞こえてきます。

新たに生まれたこの年。無垢なる時間…2007年。
時間と空間に生きているボク。その「無垢な時間」に着地したボクの体。周りを見ると、みんなが生きている。笑ったり、黙ったり、怒ったり、泣いたり…している。でも、生きている、みんなの中にボクの人生もある。

ボクはやっぱりこの言葉から新たな年のスタートです。

「おめでとう!」

でね、予感、なんですけど…。
今年は、もしかしたら、ちと、忙しくなりそう…だわ、さ。
だって、ほら、ベートーベン先生が言った言葉を想い出しちゃったのですよ…。

「急げ 急げ 人間たちよ! ボクたちは あまりにも やることが多すぎる!」
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…まさみ…
by masami-ny55 | 2007-01-02 04:08 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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