「大谷図書館」で…

先日、久々に…そうなんですよ。自分でも呆れますが、「大谷図書館」に出向いたのは実に10年ぶりになります。それほど最近の映画シナリオにはご無沙汰していたということです。

早稲田大学の演劇博物館と、ここ大谷図書館は、シナリオ書きにとっては必ず行かなくてはならない場所です。というのも、実に莫大な、そして貴重な映画台本がそのまま保存してあるからです。「月間シナリオ」も美本のまま保存されていますから、欲しい台本が見つかれば有料とは言え、コピーも出来ます。もちろん、シナリオ作家以外の一般の人たちにも開放していますから、映画ファンの人で、覗きたい人は是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。あっという間に時間は流れていくことでしょう…。

ボクのお目当ては、鈴木尚之さんのシナリオで、内田吐夢監督、中村錦之助主演の「宮本武蔵全5巻」を読むことでした。

この作品は東映作品です。なぜ、他社の台本が読めるのか…。もし、ここを使う人がいるかも知れないのでその訳を記しておきましょう。

大谷図書館は松竹の施設ですが、まず始めに、「松竹」という社名の説明をしなければなりません。

白井「松」次郎、大谷「竹」次郎という双子の兄弟が、明治28年(1895)に歌舞伎の興行をしました。それが、会社名を「松竹」と名乗る所以であり、松竹の創業年と定めたようです。
この大谷図書館は松竹の歴史館ともいえます。
歌舞伎の台本はもちろん閲覧出来ます。ボクもここで、というより今は東銀座・歌舞伎座の隣の松竹本社の三階にありますが、それ以前は築地にありました。ボクも、学生時代に「白浪五人男」や「弁天小僧」、「助六」などの台詞を書き取ったものでした…。
そして今、松竹の全作品に限らず、他社の台本もここに届けられています。テレビ台本もあるはずですよ。演劇関係の人たちは、台本が完成するとこの大谷図書館に送るというのが習慣にでもなっているのか、とさえ思えます。届けられた台本に関しては、すべて閲覧出来ます。
東映作品の「宮本武蔵」が閲覧出来るのも、その理由からです。で、ボクはここで、「武蔵の第3巻」の台本をPCを持ち込んで書き取っています。

つい先日見た市川染五郎主演「蝉しぐれ」の台本もあるだろうと思っていたのですが、残念ながらありませんでした。突然、染五郎さんに話が飛びましたが、この映画がとにかく素晴らしかったのですよ。なので、なんとしても台本、シナリオを読みたかったのです。

はなはだ失礼を覚悟で言いますが、ボクは現在の染五郎さんをまったく知らなかったのです。
染五郎、と言えばボクたち世代は現在の松本幸四郎さんですが、これも又ヘンな感じで、幸四郎と言えばボクたちは先代の幸四郎さんのことでした。
こんな昔話を得意になって語っているのですから、要するに、ここ最近は歌舞伎から離れていた証拠です。だから、こんなこと言ってるんです。

で、たまたま見た、映画「蝉しぐれ」。e0013640_3521635.jpg
すばらしい映画でしたねぇ、ハイ。まさしく「日本」、があるのですよ、この映画には…。みればわかります。
その主演が現在の市川染五郎さんです。顔はお父さん譲りですが、恰幅はお爺様・幸四郎さんゆずりの印象。

この作品のラストシーンは疑う余地すらないほどの、まさしく名場面でした。黒土三男監督の執念とさえ思えるほど、素晴らしい作品に仕上がっていました…。監督さんの要望を受けて演技している染五郎さん、お見事!


見終わって、ちと、慌てました。
いままで随分長い間、歌舞伎と離れちゃったんだ、と痛感したからです。現在の染五郎さんがこれほど見事なに役者さんなのか…と、今頃こんな感動しているのですから。時代に置き去りにされちゃいますよ、このままでは…。
染五郎さんのお父さんは若い頃、東宝映画での役所と言えばどちらかというと、正直、2枚目半的なキャラでしたよね。でも、現在の染五郎さんは、なんのなんの、凜々しさが消えない堂々たる2枚目役者、です。最近少なくなった「日本の男」を蘇らせてくれました。
まあ、歌舞伎の舞台では、女形も演じていますが…。

現在の染五郎さんを、あえて古い役者さんと見比べると、どうでしょう…市川雷蔵さんのような印象でしょうか、ねぇ。「眠狂四郎」とか、お似合いでは? 橋蔵さんの「新伍十番勝負」なんてところもいいかも…なんて一人で連想して楽しんでました。

とにもかくにも、大谷図書館で中村錦之助さんの「武蔵」を散々堪能した帰りに、早速お隣の歌舞伎座に立ち寄ってみました。すると、例年通りの「仮名手本忠臣蔵」の1日通し舞台をやってました。

ラッキー! とは、将にこのこと。この出し物はオールスター総出演!
思い立ったが吉日、とばかり、12月の一日通し舞台をひとりでのんびり、じっくりと歌舞伎座にいることに決めました。久々に歌舞伎観劇です…ぞ。
どうです、ちと、羨ましく思う方もいるのでは…、と、悦になっているボク。

とっくに売り切れていたはずなのに、キャンセルでも出たのか、マグレでとれたこの切符に添付していたチラシには、大星由良之助には染五郎さんのお父さんである松本幸四郎さん。染五郎さんは、三段目 足利館門前進物の場 同松の間刃傷の場で、桃井若狭之助役。そして、昼の舞台最後の、「浄瑠璃 道行旅路の花聟」では、腰元「おかる」に、玉三郎さんです。

六段目 与市兵衛内勘平腹切の場では、染五郎さんがその役回り。果たして…どんなお芝居が見られるのか、久々に見る歌舞伎がいまから楽しみなんです。

…話が横道にそれましたね。大谷図書館に話をもどします。e0013640_46583.jpg

さて、「隠し剣 鬼の爪」の映画台本は現物のまま見せていただきました。ラストシーンが台本通りではないことに目が向きました。現場なのか、それとも撮影間近になってからなのか…とにかく、台本とは違っていました。その発見がうれしかった。
山田洋次監督がギリギリまで作品と格闘していたんだろうなあ、と想像するだけでも台本を読む価値があるとボクはそう思っています、ハイ。

そうそう、松たか子さんのすばらしさは今更記事にする必要がないですが、この作品では、永瀬正敏さんの演技を存分に堪能していただきたいですね、いささか古い作品なので、なにを今更とおしかりを被るかも知れませんが、それでもボクはあえて申し上げます。
「日本映画を見たければ」「日本の男たちの芝居を見たければ」「じっくりと味わいたい作品に出逢いたいのなら」…是非、「隠し剣鬼の爪」を見ろ、永瀬正敏君の卓越した台詞の言い回しと、自然さを感じさせる動作をご覧あれ、と。

まあ、いつの日か、永瀬正敏君と市川染五郎さんとの共演する時代劇が出来ると夢見ているボクです。
…この二人を登場させる台本を書く作家がいないのなら、ボクが書いちゃうぞぉ~、なんて、ねッ。


最近は学生時代となんら変わらない生活が続いています…。



…まさみ…
by masami-ny55 | 2013-12-10 16:52 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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