初のソウル

弘益(ホンイク)大学。
通称弘大(ホンデ)に行ったのはボクの母校に似ている大学、と聞いたからだ。芸術全般か、と思ったがそうではなくて、どちらかと言えば美大系。映画や演劇、文芸に関しては大学院に行かないと学べそうにない大学のようだった。
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それにしても韓国の大学はここソウルも釜山もデカイ。まるでお城のようだ。しかも、坂の上にあるから学生たちは教室にたどり着くまで延々と石の階段を登っていかなければならない。風の日も雨の日も、そして雪の日も毎日である。
ボクだったらこの環境ならば完全に大学なんて行きたくなくなる。どうしても学びたいと思ったら通信教育にする…と、思う。
なぜこれほどまでに過酷な場所に大学を建てても、学生たちは黙っているのか?
それは、韓国の教育はそのまま人生の「資格」に繋がっているからだ。大学を卒業していないと、就職に不利なのだ。いや、極端な話「高卒者は努力しない人」とのレッテルを堂々と貼ってしまう。従って、どこの大学でもいい、ということになる。莫大な自由時間がある日本の大学だか、ここは試験結果が成績になる仕組みだから大学に行っても「成績競争」をしているようにボクには見える。覚えることが学ぶことと勘違いしてるようにもボクには見える。

さらにもうひとつ、面倒なことがある。兵役義務だ。確かに韓国の国政は北とは冷戦が続いたままだ。なんの解決もなされないまま今日まで続いている…。男たちはみな、青春時代に2年間は兵役に出る。
韓国の青春はボクたちが体験できる、たとえば恋愛とか創作活動などの自由時間が少ない。街に出れば彼らの服装はヤバイほど異性の目を引く。女の子たちのほとんどは日本のオナゴに比べたら、髪もお化粧もキレイにして街を行く。カフェに入れば、カップルは人目をはばかることなくベタベタ状態。しかし、なにかが欠けてしまったままの青春…。
そう、個性と自由がボクには見えない。

オナゴはおんなじロングヘアー。さわやかなショートカットのヘアスタイルは見かけない。美容師がいないのか…とさえ、思う。ひとつの方向を向いたままの青春を感じた。韓国に文学が生まれ育たないのもそのせいかもしれない。古い韓国と真新しい韓国があるが、間がない。若い国なのかも…。

ただし、個人的に話をしてみるとおもしろい。実に。可能性はかなりの大きさで存在しているのも韓国の青春だ。だからボクには彼らが実におもしろい。
創作するときの心がけは、危険を覚悟しないとダメだということ。ダメかもしれない、という深い諦めだ。うまくいかないかもしれない、という覚悟だ。この危険さが緊張感と創作意欲を継続させるエネルギー源だ。従って捜索中は、うまくいくように心がける。恋愛は、とくに若い頃は創作活動のエネルギーと似てはいまいか…。継続すること。生きてみること。完成まで責任をとること。よく、似ている…。

ところで、弘益(ホンイク)大学って学費が「バカ高い」んだそうだ。ボクの母校も高かったのか…よく知らない。学費が高いのが韓国の特徴だ。それもそうだろう、「資格」になるからだ。教育機関はボクには一種「経済活動」にも見える。逆に言えば「資格」と直結しないことに、お金を費やしたくないのだろう。

さて、と。
コーヒー好きのボクとしては行ってみたかったカフェが弘大近くにある。それは、韓国ドラマの「コーヒープリンス1号店」でロケに使ったカフェがあるから、そこに行ってみることにした…。
まあ、15分程度歩いた。
がっかり、だった。コーヒーが6000ウォンもする。しかも、トイレは今までのカフェでもっともひどい。よごれたままだ。壁は黒のビニールで壊れた箇所を隠して、補修をしていない。お客は全員日本人観光客。といっても、パラパラ。写真を撮りに来た日本人観光客に店員は「コーヒーの料金を払ってから写真をとれ」という。壁に貼ってある出演者の色紙が曲がったまま。まあ、行かなくてもいい場所だろう。

あ~~、と嘆いていてもはじまらない。ぶらぶらと歩き出し、ソウル大学医学部に行こう思った。そう、テハンノ方面。タクシーで行くことにした。ただし、それほど時間がなかった。だからポプラ並木を抜けてマロニエ公園あたりをウロウロして、大通りを渡ったら目前に「喫茶店」をみつけた。
「カフェ」ではない、「喫茶店」である。その喫茶店は2階にある。階段の入り口になにやら韓国語でこの店の歴史が書かれているようだがボクにはさっぱり何のことかわからない。

いい店だ。こういう店を探してしまうのは、ボクの特技なのかもしれない。
さっきの観光客目当てのカフェとは全く違う。本格的な、そして韓国の珈琲を伝える店、と見た。JTBにお勤めの人たちはこのお店を是非紹介してあげてほしい。感動ものだろう。
その名を「学林」という。
珈琲は4500ウォンだった(記憶違いかも)。味は本格派だ。しかもだ、この店内では「喫煙」が出来る。ガラス部屋に閉じこもって疎外感たっぷりの喫煙ではない。2階には少数のテーブルがあり、喫煙者はそこで音楽と珈琲を楽しむ…。いままで韓国ではさまざまなコーヒー店に行ったが、この「学林」こそ、韓国一の喫茶店と断言する。珈琲好きなら、行けばその価値がわかる。いい店だから、ソウルに来たらまたボクはここに来て珈琲を味わうだろう。
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…まさみ…
by masami-ny55 | 2012-05-31 12:49 | 日記


東京の日常生活と、仲間たちとの交遊録


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